配線ダクトの作業にあたって

建物は建築の構造体に加えて、電気や給排水衛生や空調などの設備と昇降機などで構成されています。

新築工事や増改築工事では、建物の進捗に追随して各種設備工事の作業がなされます。電気工事に関しては、受電設備や配電盤設備や自動火災報知設備などとそれらを結ぶ配線配管工事があり、作業にあたっては工事に相応した資格を持つ者が行うものとされます。配線工事は、電力や信号を伝達する電線やケーブルの布設が行われ、管路内配線や壁及び天井内のいんぺい配線や屋外露出配線などで構成されています。

電線やケーブルは、竣工後の建物の利用状況の変化によって取り替えの発生や、絶縁不良による交換を想定して、管路内に入線することが多いです。幹線ケーブルでは、一本のケーブルは一本の電線管に入れることが多く、比較的細いケーブルでは複数をひとつの電線管に入線します。機械室や電気室など、主要機器の電源や制御用の配線が集中している場所では、分岐後の配線は管路内または屋内露出として、幹線系統はダクトに収めて配線することがあります。

また、防火区画のある部分を貫通する幹線系統では火災発生時の延焼を防ぐために、貫通部を不燃材料とすることとケーブルの保護のために、金属製の配線ダクトを用いています。配線ダクトの作業は諸法令で定められている仕様があり、収めるケーブルの上限は配線ダクトの断面積の2割までとされていて、ダクト同士の接続では電気的にも繋ぐことが必要です。また、機械室などでは、他の設備配管も集中しているので、作業する前に業者間で協議した施工図に基づいて工事を行うことが望ましいです。

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